もう会うことはないかもしれないけれど。

きみに読んでもらいたいお話

タイで鬱になりました

タイでうつ病になった。

正確にはタイでうつ病と診断された。うつ病の兆候はおそらく日本にいた頃からあった。

タイに来てゆったりとした環境で一日を過ごす中で、自分の、今まで無意識に押さえつけていた「辛い」という気持ちが、ひょっこり顔を出した。

 

タイの、安心できる環境でやっと心が解放されたんだと思う。知らず知らずに押さえつけてた、心の奥深いところにたまっていたどす黒い怒りと、冷たい悲しみを自覚した。あの日の、消化しきれなかったありとあらゆる感情が波になって私にせまってくる。

 

日本にいたときは食べて、寝て、仕事、という味のない日々を過ごし輝かしいはずだった、可愛いはずだった20代前半を棒に振ってしまった。平日は仕事、休日は体力回復。自分の心の声に耳を傾ける余裕はなかった。

 

職場で複数の人からいじめられてたのに、辛い気持ちより、仕事への責任感の方が大きかった。今振り返ると、考える力を奪われていた。

 

 

タイがうつ病を発症させてくれた。タイは心身穏やかに過ごせる環境だ、だからうつ病になったんだと思う。ゆっくり自分と向き合えるから。うつ病はタイの生活のせいではない。